[脳内プログラミングのススメ 1/2] 「キータッチの速さ?無意味だ」UEIの水野CTOが断じるワケ
2011/07/22公開
プロフィール

株式会社ユビキタスエンターテインメント 取締役 CTO
水野拓宏氏
芝浦工業大学システム工学部電子情報システム学科卒。独立系ソフトハウスで受託開発を経験後、2000年ドワンゴに入社。その後、起業を経て2006年より現職。同時期、情報処理推進機構(IPA)主催の「未踏ソフトウェア創造事業」(2005年度上期)でスーパークリエータとしての認定を受ける
「湧き上がるアイデアを形にすべく、キーボードを叩く」
プログラマーの日常としてはごく当たり前に思える風景だ。しかし、それをあえてしないことで、プログラミングのスピードを著しく向上させた男がいる。現在、ユビキタスエンターテインメント(UEI)で取締役・CTOを務める水野拓宏氏だ。
UEI といえばshi3z(清水亮)氏がCEOを務めるソフトウエア開発会社だが、実はこの水野氏も、知る人ぞ知るプログラマー界の猛者。
"突き抜けちゃってる"エンジニアが多いことで有名なドワンゴ出身者であり、IPA(独立行政法人情報処理機構)が主催する「未踏ソフトウェア創造事業」で、2005年度上期にスーパークリエータに認定された経験を持つ。また、伝説のマイコンキット『TK-80』のマニアとして一部では知られた存在でもある。
「脳内プログラミング」のメリットって何?
そんな水野氏が日々実践しているのが「脳内プログラミング」だという。頭の中だけでプログラミングやUIデザイン、デバッグまでしてしまうらしい。水野氏によれば、脳内でプログラミングをするメリットは、大きく三つある。【メリットその一】 物理的制約がない
当たり前だが、通常プログラミングをするには、最低限コードを打ち込み、確認、記録するためのハードと、エディターソフトがいる。
しかし、脳内であればそれらは不要。必要なのは想像力だけだ。
例えば、通勤中に面白いプログラムを思いついた時。
モバイルを持っていたとしても、いちいちそれを立ち上げ、
そこにプログラムを書くなんて、面倒以外の何物でもない。
第一、いつもPCを持ち歩いているとは限りません。
もしかしたら「手書きでコードをメモる」
なんて強者もいるかもしれませんが、
結局ハードに依存しているという点では同じです。
入力ツールがなければお手上げ。
でも、脳内であればそれらの悩みは一気に解消します。
好きなときに好きな場所でプログラミングすることができるんです。
(水野氏)
【メリットその二】 スピードがとてつもなく速い
物理的制約がないとはつまり、キーボードを打つ必要がないということ。プログラミングと呼ばれる行為の大半が、タイピングに消費されている。
この状況を踏まえれば、「キーボードを打たなくていい」ことでかなりの時間が短縮されるであろうことは想像に難くない。
脳内であれば、物理的に指がキーを叩けるスピードにとらわれることなく、
コードを打つことができます。このメリットは大きいですよ。
だいたい開発が2カ月程度の規模感のプログラムだと、
脳内では1日で完成しちゃいます。
また、世の中には
「短時間に多くのコードを打てるプログラマーほど腕が良い」
なんて風潮がありますが、優秀なプログラマーほど、
少ない労力で必要なプログラムを実行させることに力を注ぐもの。
脳内プログラミングだと、
現実世界を流れる「時間」という概念を超越してコードを書くので、
「短時間で多くのコードを打てる」ことがなおさら意味を失います。
(水野氏)
【メリットその三】 仕様のヌケなどを事前に発見することができる
実際につくってしまう前に、脳内で"つくって"いるので、モノができてしまってからありがちな、「あ、この仕様、こうしてた方が良かったかな...」なんて事態を事前に回避することができる。
脳内でつくり上げるのはいわば「テスト版」。
実物をつくり出す前に完成品の全貌を見ることができるので、
「つくってみないと分からなかった」仕様上の問題点を、
前もって知ることができます。
開発プロジェクト全体で見たとき、
この「一度全体像をつくっているかいなか」の差は大きいですよね。
手を動かすフェーズには、全体最適を踏まえた構造を
最初からつくれるわけですし、
「ここからつくりなおし」みたいな事態が発生しにくいので、
結果的にプロジェクトの遅れを防ぐことができます。
(水野氏)
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