[連載:ひがやすを×和田卓人] プログラマー人生を楽しむために知るべき97のこと【恋愛編 1/2】 技術屋の「公平さ」は恋の敵!?
2011/09/09公開

タワーズ・クエスト株式会社 プログラマー 兼 取締役社長
和田卓人氏
テスト駆動開発(以下、TDD)の普及役として知られる。学生時代、オブジェクト指向分析/設計に傾倒。その後、ソフトウエアパターンやXP(eXtreme Programing)を実践する人たちと出会い、TDDの誕生を知る。現在は講演活動やハンズオンイベントを開催しながらTDDの普及運動を行う
―― 本日はお集まりいただきありがとうございます。この対談連載では、「プログラマー人生を楽しむために知るべきこと」をお題に、毎回テーマを決めてお話しいただければと思います。さっそく第一回目のテーマを設定したいのですが......。
ひが この対談のオファーがあった時から考えていたのですが、初回は「どうすれば彼女をGETできるか?」にしませんか。和田さんとは以前、このテーマで語り合ったことがあるし、和田さんは最近ご入籍されたばかりだし。
和田 えっ(苦笑)、マジですか!?
ひが それに、実はこのテーマ、僕のプログラマー人生の転機になった出来事や、僕らが知り合ったきっかけとも関係しているんです。
―― そうなんですか!?
ひが 何より、プログラマー人生について僕たちが上目線で講釈するよりも、僕ら2人が実際に悩んだり、体験したことをベースにお話しした方が、読者の役に立つと思うんだよね。そのとっかかりとして、恋愛が一番キャッチーかなって。和田さんさえよければ。
テーマが恋愛に決まり苦笑する和田氏。腕にはテスト駆動開発者の証「グリーンバンド」が
和田 (照れくさそうに頭を抱えながら)......分かりました。ひがさんがそうおっしゃるなら......やりましょう!
―― どうやら単なる恋愛話じゃなさそうですね。では第1回目は「恋愛編」でお願いします。まずは、今ひがさんがおっしゃった、お2人の出会いからお聞きしないといけませんね。
和田 たぶん2002年前後。XP(eXtreme Programing)のイベントでしたよね。
ひが 僕が「アジャイルなデータベースモデリング」について発表をしていた時に来ていたんだよね?
和田 そうです。いろいろと技術談義を聞かせてもらって。で、その後もほかのイベントや懇親会の席でご一緒する機会が時々あって。技術者のカンファレンスとか、エンジニアのための読書会とか。
ひが 仕事を一緒にしたことはないけど、会うと技術の話ばかりしていたんじゃないかな。そうやって親交を深めていくうちに、ある勉強会後の懇親会で、和田さんの恋愛の失敗談を聞いたんです。
和田 あぁ、やっぱりあのエピソードの話になるんですね(再び頭を抱える)。
ひが いいじゃない。あの失敗があったからこそ、今の奥さんとめでたく結ばれたんだと思うし。
和田 確かにそうかもしれませんね(苦笑)。とにかく、あの時はひがさんから説教というか、「そのデートはあり得ない」とダメ出しをされたんです。
「割り勘問題」に見る、公平であることの良しあし
―― どんなダメ出しをされたんですか?
和田 ある女性と初めて食事に行ったんですが、その時のお勘定を僕が割り勘にしたって話で。それがきっかけかどうかは分かりませんが、その後だんだん疎遠になって......という話をしたところ、ひがさんをはじめたくさんの人から「最初のデートで割り勘はないだろっ!!」とダメ出しされたんです。
ひが 僕も「絶対に割り勘はNG」と思っているわけじゃないけど、女性と夜に食事に行った時は、それがどんな関係の人だとしてもたいてい僕がおごります。それに、この時に和田さんにダメ出しをしたのは、割り勘にしたこと自体ではなく、そうしようと思った理由がおかしいと思ったからなんです。
―― その理由というのは?
ひが 確か、「それが平等だと思った」みたいなことを話していたよね?
和田 はい。当時の僕はいろいろと気を遣った結果、「いきなり全額おごりだと、相手に変なプレッシャーを与えてしまうんじゃないか」、「割り勘の方が相手も気が楽なんじゃないか」って話した気がします。自分が居心地悪いと感じることをやってはいけないと思いまして......。
「女性への気遣いは大切だけど、それが独りよがりになっていないかも考えないと」(ひが氏)
ひが うん、その考え方はすごく素敵で、そういう意味では和田さんのやさしさがにじみ出たエピソードなんだよね。でも、詳しく話を聞いているうちに、あれこれ一人で考え過ぎて、結局相手の気持ちを察してないんじゃない? って思ったんです。
和田 そうですね......。当時は、それが「気遣い」だと思っていたので。
ひが そこが違うんじゃない? って話したんです。これは特にオープンソースで育ったプログラマーに多い傾向かもしれませんが、仕事での行動原理から、いつ何時でも「公平さ」とか「平等さ」を大事にしているわけです。
和田 それ、すごく分かります。だからこそ、この時と同じシチュエーションだったら「割り勘にする」っていうプログラマーはけっこういると思うんです。
ひが でもね、こと恋愛に関しては、相手に「あなたは特別だ」と伝えるのが大切で、そのためにも、特別だと思う女性はちゃんと立ててあげなきゃ。どういう振る舞いが相手にとって心地良いものかは、TPOに応じて変わるものだし。
和田 ホント、おっしゃる通りですね......。
ひが それをうかがい知るには、まず相手の話を聞いて、反応を見て動かないとね。異性をリスペクトするというのは、そういうことだと思うんです。
恋も仕事も、「相手を知る」ためのプロセスこそが最も重要
―― 普段から「公平さ」や「平等さ」を大事にするのは、オープンソースにかかわる人ならではの発想なんですか?
ひが もちろん「特有のもの」とは言い切れませんが、オープンソース関連のプロジェクトに参加しているプログラマーは総じてその傾向が強いと思いますよ。
和田 そうですね。
ひが氏のプロポーズ予告のログ。プロポーズしたのは「Xmasだったし当日思いついたから」とのこと
ひが オープンさという意味で言うと、僕は2005年の12月24日にプロポーズをしたんですが、プロポーズする直前に、自分のブログで公表しましたからね。
和田 そうでしたよね! 今もそのログって残ってます?(と言いながら、手元の『iPad』でひが氏のブログを検索)。あ、あった。すごいなぁ、こういうことできちゃうのが。
ひが この「プロポーズ予告」も、言ってみればオープンソース的な行動原理から来ているわけです。何かオープンを間違ってとらえてるかもしれないけど(笑)。まぁ、こうやって公表することで、喜んでくれる読者がいるならそれでいいんです。
和田 僕なら「もし失敗したら恥ずかしい」という思いが先に来るので、絶対マネできないなぁ。
ひが あれは極端な例なのでマネしなくていいと思う(笑)。割り勘のことに話を戻すと「相手は自分じゃない」、つまり自分と同じように考えるとは限らない。だから、相手のことを理解しようとする姿勢が何より大事で、それには女性の話を聞き、ホントの意味で尊重してあげるようにしないと。
和田 相手の身になって考えるのは悪いことじゃないけど、恋愛では相手を知ろうとするプロセスの方が大事ということですよね。そういう、すごく当たり前なことを当時の僕は見落としていました。
ひが ごめんね、あの時は偉そうな物言いで。でも、和田さんは好青年だし、もっと恋愛でも良い思いをしてほしいと思って。
和田 ありがとうございます(苦笑)。それにしても、ひがさんは女性との接し方を心得てますよね。とにかく女性にやさしい。何で、そんな風にイタリア人みたいになれるのか。
―― イタリア人的、ってすごいですね(笑)。
和田 前に行われた『LLTV(Lightweight Language Televisionの略。毎年行われている『LLイベント』の2009年版)』で、「LLフィーリングカップル」というパロディー企画に登壇した時に、周囲から"非モテエンジニア"などとイジられた僕としてはいまだに謎です。
ひが 僕も最初からこうだったわけじゃないよ。大きかったのは、『エンジニアtype』の連載にも書いた学生時代のワインスクールでの経験。スクールに通ってきているのは、当時の僕からすれば皆ずっとオトナの女性ばかりで、スクールが終わった後の飲み会やワイン会では、彼女たちが、がんがん飲んでしゃべってた(笑)。
―― それが、ひがさんの恋愛体質をどう変えたんですか?
ひが 彼女たちからすれば「お子ちゃま」だった僕としては、ひたすら彼女たちの話を聞くことに集中するしかなかった。でも、その時の経験から、女性のキモチを学んだというか、女性をリスペクトするということを学べたんです。
和田 じゃあその後くらいから、異性に対してイタリア人的な振る舞いができるように?
ひが いや、実はそうでもない。就職してからは、僕も恋愛に関して「不毛の時代」を経験したし。本格的に変わったのは、和田さんとも深く関係しているXPを知ってからなんです。
(恋愛編 2/2に続く)
>> 【恋愛編 2/2】 『YAGNI』を私生活にも応用しよう
<ほかのひがやすを×和田卓人対談はコチラ>
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