[対談:ひがやすを×和田卓人] プログラマー人生を楽しむために知るべき97のこと【シャイ克服編 1/2】『ガラスの仮面』ごっこで恋も仕事も充実!
2011/12/16公開
タワーズ・クエスト株式会社 プログラマー 兼 取締役社長
和田卓人氏
テスト駆動開発(以下、TDD)の普及役として知られる。学生時代、オブジェクト指向分析/設計に傾倒。その後、ソフトウエアパターンやXP(eXtreme Programing)を実践する人たちと出会い、TDDの誕生を知る。現在は講演活動やハンズオンイベントを開催しながらTDDの普及運動を行う
―― この対談も、早くも第4回目です。今回のテーマはどうしましょう? 年末なので、今年の振り返りと来年の展望をお聞きしようかと思っていたのですが。
ひが ちょっと普通過ぎませんか? 年末年始は、どのメディアもそういう企画やるでしょうし。どうせなら、読者の皆さんに「なんじゃこれは?」と思わせるようなテーマの方が良いんじゃないですかね。
―― ということは、今回も何か腹案がおありで?
ひが はい。テーマはズバリ、「シャイ克服法」です。
和田 アハハ、良いですね。僕も、ひがさんの攻め方に慣れてきました(笑)。ところで、どうしてそのテーマにしようと思ったんですか
ひが 先日、別の対談企画でバスキュール号の古川亨さんとお会いする機会があったじゃないですか。その時、『Lightweight Language Television 2009』の中で開かれた「LLフィーリングカップル」を思い出したんですよ。
和田 あぁ、あれには僕も、古川さんと一緒に登壇者側に並びました。
ひが 登壇者に選ばれたってことは、「非モテ」に分類されたってことでしょ?
「けっこう格好良い見た目の和田さんが『非モテ』扱いされるのはもったいない」と話すひが氏
和田 確かにあの時は、「ひょっとして各言語を代表する非モテを集めたのではないか!?」と言われました......。
ひが そこで僕は思ったわけです。和田さんも古川さんも、見た目は格好良いのに、何で「非モテ」扱いになっちゃうのかなぁ、もったいないよって。で、その原因は「シャイ」なことにあるのではないかと。エンジニアって、シャイな人が多いですよね。僕自身も実はかなり恥ずかしがり屋だし。
和田 えっ、そうなんですか? 全然シャイには見えませんが......。
ひが 正確に言うと、根がシャイなの。でもそれを、独自の方法論で改善してきた。それが、ズバリ、『ガラスの仮面』ごっこです。
―― 何ですか、それ? 面白そうですね。
ひが 詳しい話は後でするとして、とにかくシャイな自分を上手に克服できれば、プログラマーの仕事は絶対にうまく回り出すし、女性とも楽しく付き合える(笑)。
和田 確かに、引っ込み思案なままだと、仕事を広げるきっかけがなかなか生まれませんよね。僕自身は「現役の引っ込み思案」なので、シャイなままでいるのは損だなと痛感しています。引きこもった状態から一歩踏み出して、例えばオープンソース活動に参加したりすると、独学するよりも刺激を受けられるし、新しい知識が広がったりしますよね。
ひが 他人の目にさらされることで、スキルが磨かれるのは間違いないと思うよ。芸能人が、人気が出てくるとさらにキラキラ輝いてくるのも同じ話だと思います。
意見を発信し続けると、インプットはどんどん増えていく
―― そもそもお2人は、これまでシャイで損したことってあるんですか?
和田 今ひがさんがおっしゃったように、自分の中に閉じこもっていると、成長する機会が失われがちだと思うんですよ。プログラマーとして腕を磨くためには、他者の目にさらされることが大事。僕自身も、引っ込み思案なりに前に出ることを始めてから世界が広がりました。
ひが それまで、かなりの機会損失があったってことだよね。
和田 はい。本来ならいろいろな世界から学びを得られたはずなのに、それをしていなかった時期があったのは、今振り返るともったいなかったなと。
オンビジネスの場での交渉ごとや、異なる職種の人との折衝が苦手と思われがちなエンジニア。その理由は...
―― 弊誌でエンジニアの方を取材していると、中にはものすごく無口な方もいらっしゃいますし、営業や経営関連の仕事に就く方々に比べると、人前で話すのが苦手な人が多い気がします。
和田 初めて会う人とか、違う業種の人と円滑にコミュニケーションできない傾向はあるかもしれませんね。僕自身もあまり自信がありませんし。でも、まずは狭い範囲からでいいので、自分の意見を発信していくのが大事なんですよね。「全員に対してオープンになれ」というのは難しいけど、同業者と話すのはハードルが低くなるじゃないですか。
ひが 確かにそうだね。
和田 そうこうしているうちに、例えばIT勉強会やコミュニティでのアウトプットが増えていって、「○○について教えてくれ」とか、「□□の場で話をしてほしい」と求められるようになります。わたしの場合は、TDDがまさにそれです。すると面白いことに、ほかの技術分野についてのインプットも増えていくんです。その繰り返しが、プログラマーとしての自信につながっていく。
――ひがさんも、シャイで損したことってあるんですか? 今ひとつ信じられませんが。
ひが 恋愛関係の話なら、たくさんありますよ。例えば高校2年生の夏。当時好きな子がいて、イイ雰囲気まで行っていたんですよ。でも、その子が2学期の頭に沖縄から大阪の学校に転校することが決まって。
一同 ほぉ!
ひが で、転校前の最後の夏休みにキャンプが行われたんです。一泊で島に泊まりに行くやつ。みんなが寝静まったころ、まだ燃え残っているキャンプファイヤーにところに行ってみると、彼女がいたんですよね。約束してたわけじゃない――シャイだった僕にはそんな約束できないので――けれど、たぶん僕のことを待っていたんだと思います。
―― ドラマみたいな展開ですね。
ひが そこから、一晩中おしゃべりしましたね。誰かが持ち込んだラジカセから、ちょうど良いタイミングでサザンが流れてきたりして(笑)。でも、お互いに好きなんだろうなぁと感じていたのに、告白できなかった。最後の一言が言えなかったんですよ。
和田 いやー、甘酸っぱい思い出ですね!
最も手っ取り早いやり方は「見た目から変えること」
――そんなシャイボーイが大きく変わったのは、何がきっかけで?
ひが 社会人になってから、あるワイン教室の先生をする機会があったんです。そのワイン教室の生徒の中に素敵な人がいて、教室が終わった後によく飲みに行っていましたね。そんな折、先生である僕と生徒たちの間で、ブルゴーニュとかシャンパーニュなどフランスのワインの産地を訪ねようという話が持ち上がったんです。
控えめな性格で学生時代まで「甘酸っぱい恋愛」続きだったひが氏が変わった理由とは?
和田 おっ、そのフランス旅行中に彼女と何かあったんですね。
ひが それじゃあ普通過ぎるじゃない。僕の人生はもっとドラマチック(笑)。
和田 じゃあ何が起きたんですか?
ひが 彼女が突然、東京から名古屋に転勤することが決まったんです。そして、その転勤のために、フランスにも行けなくなった。いかにもうまくいきそうなイベントだったのに、それがガラガラと崩れていった。
和田 で、その後は......?
ひが 彼女のことはしょうがないので、とりあえず忘れることにして、フランス旅行を徹底的に楽しもうと。
和田 ......。
ひが そのころの僕は、メガネをかけた地味な感じ。和田さん、あのころの僕、知ってるよね?
和田 写真を見たことがあります。今とイメージ違いましたよね。メガネで、髪も黒かった。いかにも真面目そうで、銀行系のエンジニアみたいな雰囲気でした。
ひが その旅行の行きと帰りはパリに泊まることになっていました。そこで、「どうせパリに行くんだから、自分を変えよう。パリに似合う人間になろう」と思い立ったわけです。それまで、自分の見た目にこだわったことってあんまりなかったんだけど、出発2日前にコンタクトレンズを作り、服を買った。
和田 へぇー。
ひが 自分を変えたかったら、まず見た目から変えてみるのがオススメですよ。あのパリに降り立った日から、僕の気持ちはすっかりパリジャンです(笑)。
―― 対談の第一回[恋愛編]の時に、「ひがさんは女性に対してイタリア人的だ」という話も出ていましたが......。
ひが 自分としてはパリジャンのつもり(笑)。そして、パリジャンになり切った僕は、帰国してから彼女に告白して、付き合うことになったんです。遠恋しようと決意して。そこから、人生がガラリと変わった感じですね。
和田 すごいなぁ、僕は女性に対しては、いまだに苦手意識がありますよ......奥さんだけは別ですが。ただ、仕事上で引っ込み思案を解消した経験はありますよ。はてなダイアリーでブログを書き始めたことが、僕にとっては転機でしたね。2004年7月1日のことです。
(シャイ克服編 2/2に続く)
>> 【シャイ克服編 2/2】「モード」を切り替える儀式を持とう
<過去のひがやすを×和田卓人対談はコチラ>
■ 第3回【ダイエット編】 歩く習慣が、体もコードも軽くする
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